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ご挨拶

NPO法人母子栄養懇話会
代表 永井 泰

 現在、日本では肥満や糖尿病予備軍は急増しています。それは経済発展に伴い生活は簡便・快適化されたことに伴い、活動量は減少し、いつでも好きなときに好きなものを摂取できるようになったことが背景にあると考えられます。

 教育水準は高いはずの日本でありますが、体をつくるために大切なはずの「食」の摂り方における教育は十分ではなかった結果ともみられます。

 栄養を考えるとき体が最初に形づくられる胎児期、すなわち妊婦の栄養は非常に重要でありますが、妊娠中に栄養教育を受ける機会のある妊婦は多くないのが実情です。

 そんな中、2013年10月日本母性衛生学会学術集会では「女性の疾患への対策と食生活の改善」というテーマがもうけられ、妊婦の栄養改善の重要性について論じられました。その学術集会を機会に林雅敏学会長にご協力いただき今回『母子栄養懇話会』を立ち上げました。臨床に携わる医師、助産師、管理栄養士、栄養士らと共に周産期栄養の向上・次世代の栄養向上に寄与することが本会の目的であります。

「懇話会」と称したのは意味の通り、「親しく打ち解けて話し合うこと」に重きをおいた会とし成長していくことを願って命名しました。

 妊婦への栄養教育は周産期栄養にとどまらず育児や家族の疾患に関することなど多岐に渡ります。また基本的には予防としての栄養教育となります。臨床栄養が盛んな分野ではすでに先輩方により栄養管理・教育体系が確立されておりますが、今後産科を専門とする分野においても助産師・看護師・管理栄養士・栄養士らの育成をすべきであると考えております。多くの産科診療所では管理栄養士が0~1人配置であり、教育をできる余裕や人材がありません。それを補うためにも、本会では産科栄養教育を行う者がネットワークを作り、施設の垣根を越えて女性の栄養改善を応援していける体制を模索したいと考えております。